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心温まるお客さまとのやり取り

とうとう広島にも緊急事態宣言が出ました!
なかなか出口の見えない戦いに、みなさま、お疲れと思います。
月並みですが、できる事をコツコツと。
という言葉がしっくりくる状況です。

仿古堂は、変わらず営業予定です。
消毒・換気に努め、できる限りの安全対策をしています。
※状況次第では、変更するかもしれませんので、お越しになる場合は、ホームページのお知らせ欄や、SNSをご確認頂けたらと思います。

さて、そんな中。
今日は、心温まるお客さまとのやり取りをご紹介させてください。

この方は、昨年のクラウドファンディングの際にも、熱心に応援して頂きました。そして、クラウドファンディング終了後、ご遠方から弊社まで足を運んでくださり、直接「成功してよかったですね~」と、一緒に喜んでくださる優しいお客様です。

先日のインスタ&Facebookのストーリーズには、この画像をアップしていました。

今日は、この書筆「学院法」のおはなし。
上記画像にもありますが、学院法とは、
「比田井天来先生が書学院の稽古用に開発した「菁華」を、桑原翠邦先生監修のもと製作された筆なんです。」
実は、元々は弊社の筆ではなく、他社製の筆でした。
その会社様が廃業される折に、当社に引継ぎ頂いた歴史ある筆。学院法の筆を作られている職人さんは、当時のまま。

廃業された会社様の想い、以前から変わらず筆を製作される職人さんの想い、沢山の歴史の詰まった「学院法」
当社でも大事に扱っている筆です。

画像クリックで当社ネットショップ「学院法 特中」へ

そんな「学院法」のストーリーズを見てくださって、こんな疑問をもたれたようです。

 

「学院法」と「新法古 」の違いは何でしょう?
臨書用は、なぜ臨書用なんですか?

 

率直なお問合せ、ありがとうございます!


ここで、書筆「新法古」の説明を少し。

元々は「法古」という桑原翠邦先生の筆を弊社が制作した兼毫筆がありました。当社の3代目(現会長)が桑原翠邦先生の所に通いながら作らせて頂いた選定筆になります。
その職人もいなくなり廃盤となりましたが、古典臨書用の筆として出来上がった新しい筆のネーミングを「新法古」として名づけました。

画像クリックで、当社ネットショップ「新法古 大 」へ

という前提がありまして、お客様の質問の回答としましては。

 

古典の臨書を学ぶにあたり桑原翠邦先生が推奨した筆がこの二種類の筆となります。
それぞれの臨書により筆を使い分けるのが本当だとは思いますが敢えてこの1本でと推奨されているのが現状です。

 
 

臨書用は、練習用と捉えてます。
臨書も作品となると、作品用の筆を使う方がよいと考えたら良いでしょうか?

 

常連のお客さま、いつもありがとうございます^^
迷いますよね。。。解ります。 解ります。

 

作品書きでは臨書作品、創作作品(ある古典臨書をベースにした作品)等ありますが、臨書作品は忠実に臨書するため普段から臨書で用いる筆で良いと思います。
(一部を拡大臨書することが多いため筆は大きくなりますが) 創作作品はベースの古典をもとに柔らかい筆や硬い筆、長鋒や短鋒などでそれぞれ創作することになります。

 

流派によって推奨筆も違うことから、なかなか言い切るのも難しいのですが、常連さんの今までのやり取りを踏まえて、このような回答をさせて頂きました。

 

先日、奈良の桑原先生の書展で、学院法、これ一本で臨書の筆としてはよい。とお聞きしたので、どうなのか、気になっていました。

 

所説いろいろありますので、迷いますよね。
こういう時、違うんじゃ!とならない所が、この方のとってもいい所^^
真剣にお答えしたいので、忙しい時は、まとまった時間が取れるまで楽しみにとっておくんです。なので、時々、即答できなくてごめんなさい。

今の時期、このようなお問合せが一番多い時期でもあります。
みなさん、いろんな方と直接会話する機会もなくなってという背景もあるのかもしれませんね。

よくやり取りをさせて頂いているので、激励を込めてこんなメッセージも添えさせて頂きました。

 

天来先生や翠邦先生の臨書作品に興味があるのであれば学院法や新法古で学ぶのを推奨しますが、一番は自分が扱いやすく表現し易い 筆であれば良いですし、何にしても「これでなくてはならない」ということはありません。
色々な筆の書き味、線質などを知っていただき、ご自身が書きたい書に合わせて筆を選んでくださるのが一番楽しいかと存じます。

 

真剣に回答を考えたので、ちょっと固い文書になってしまったでしょうか。
いつも応援してくださって、本当にありがとうございます。
創作のお手伝いができているという実感が、日々の作業の励みになります。

 

筆をあれこれ使い始めると、改めて、どんな線がひきたいか、この筆は、どんな風に使えば、魅力的な線がひけるのか、と、考えますね。

 

はい!!
私たちは、書家のみなさまとこうやって交流させて頂くことが何よりの励みです。
原料の質や価格等、今後ますます厳しい状況になって行くと思います。
そんな中、みなさまに自信をもって提供できる筆つくり。
日々、研究し、職人と共に、未来へ筆を継承して行こうと思っています。

緊急事態宣言の事もあり、未来に向けて、熱く語りたい金曜の夜でした!

筆を作る立場からコメントさせて頂きますので、みなさまのご要望にお応えできるか不安な所もありますが、今回のお客様のように、もし、迷ったりすることがあれば、お気軽にメール連絡お待ちしております。

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